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2010年11月26日

野良黒パート2

お寺の野良黒猫はハチが死んでから急に大きな顔をし出して、境内は言うに及ばず、建物の中にまで悠々と闊歩している。この間も外出のため玄関に向かって歩いていたら、後ろに野良黒が我が家のような顔をして一緒に歩いているではないか。台所にもちょくちょく顔を出して、いかにも同情を引くような可愛い声で、「にゃ〜ん!」と鳴いて、食い物をねだるそうだ。日々ハチの墓参は欠かさず、お供え物のカボチャや人参、ジャーキなどを失敬して行く。不思議なのはパンは食べないと言うことである。ところが最近そのパンを食べるようになった。思うに、生まれてこの方、ずっと野良だったから、パンを一度も口にして居らず、つまり食わず嫌いだったようである。しかしある時ちょっと食べてみたら、意外やこれが旨いと知り、爾来喜んで食べるようになったというわけ。忌明けを境に、ハチのためのベットや小屋を全て片付けたので、そのスペースがやけにガランとして、間が抜けたようになった。今隠寮の紅葉が盛りで、ドウダンの紅と一緒になって、それは見事な美しさだ。ハチはこの庭が大好きで、いつも杉苔の上に腹這いになって、気持ち良さそうにしていた頃を思いだし、紅葉の美しさより真っ白なハチの姿が彷彿としてくる。今日は先住の大心老師の祥月命日で、会下の和尚連中が何人かやって来て、一緒にお経をあげる。一年経つのは本当に早いもので、今年ももうこの時期になってしまった。月日は百代の過客にして行きかふ年もまた旅人なりである。

投稿者 zuiryo : 14:04 | コメント (0)

2010年11月25日

股関節痛

一昨日、朝いつもの通り散歩に出掛けると、妙に左足股関節に違和感がある。帰ってからしばらくすると、その痛みがただ事ではないほど酷くなってきた。すわ医者へと思ったが生憎休日で駄目。歩いても坐っていても、横になっても兎も角じっとしていても痛むのだ。どうすることも出来ず一応横になり背中を丸めて凌いだ。湿布も場所柄貼ることも出来ない。途端に目の前が真っ暗になり気分は落ち込み絶望の淵に佇んだ。余程平生の疲労が重なっていたのか、こんこんと眠った。翌日早々に整形へ出掛け診察して貰った。足と腰の骨の接合部分にやや骨の尖った変形が見られるので、これが原因でしょうと言われた。しかしこれをどうすると言うことも出来ないので、まっ、痛み止めでも出しておきましょうで、おわり。益々気分は落ち込んだ。知人が近くの針灸医を紹介してくれたので、藁をも掴む心境で出掛けた。これが功を奏したのか痛み止めが効いたのか解らないが、急に痛みが引いて大分楽になった。途端に目の前が明るくなった。さて今日はどうかと朝起きるのが心配になったが、痛みは引いて益々楽になった。やれ有りがたや、これで順調にいけば2,3日うちには完治しそうである。さてこの痛みの原因だが、運動のやり過ぎ。連日ジョギングをやってやってやりまくった。その割には一向に体重は減ってこないので、益々精を出してジョギングに励んだ結果がこれだ。もうこりごり、しばらくは大人しくして、軽い散歩程度にしようと堅く心に決めた。何事もほどほどが宜しいようで、私は極端なのが玉に瑕。

投稿者 zuiryo : 11:19 | コメント (0)

2010年11月17日

干支の色紙

8年前の申年に、これから毎年干支の色紙を描いて知り合いに差し上げようと発願した。ところが墨絵など描いたことがない。そこで知り合いの日本画家にお願いしてサンプルを描いて貰い、一生懸命稽古に励んだ。最初の作品は私の技量が未熟だったので、成るべく簡単なものにして頂き、年々レベルを上げていった。8年経ち努力の甲斐あって少しは見られるようになった。自分でこんなことを言ってはいけないのだが、特に昨年の寅あたりから急速に腕を上げ、我ながら旨いもんだ!と一人悦に入っている。今年のウサギは特に良かった。ご教授頂いた先生も褒めてくれ、額装に出しましょうとお世話下さり、最近出来上がってきたのを見て我ながらビックリ!孫にも衣裳髪かたちというが、裏打ちして着物を着せると俄然良くなる。居室に飾って一人楽しんでいる。とまあ、自惚れもここまで来れば相当な面(つら)の厚さである。墨絵は一発勝負で、塗り直しが効かない。どうせ安い半紙に書き殴ったので、紙は惜しくないが、何枚も何枚も失敗するとだんだん自信がなくなってきて乱雑になり、結局最初の頃のがまだましと言うことになる。沢山描けばいいと言うものでもない。かくの如く毎年10月頃になると準備を始め、最初の年が百枚、年々増えて今では四百枚も描かなければならなくなり相当な負担になってきた。しかしこう続いてくると途中で止めるわけにも行かず、まっ、一年間の御礼のしるしと思って描き続けている。

投稿者 zuiryo : 19:43 | コメント (0)

2010年11月16日

紅葉と焼き芋

ぼつぼつ庭のドウダンが紅葉し始めた。モミジはまだ先のようである。知人からブランド芋を送ってきた。いつもちゃんと覚えていてくれて、紅葉のシーズンになると、焼き芋を頬張りながら隠寮庭の紅葉を愛でる私の恒例行事を知っていて送ってくれるのだ。持つべき者は良き友人である。芋は届いたのだが、今年は8月9月の酷暑が影響したのか葉はまだ緑、待てないので毎日焼き芋だけ食べている。芋を食うとハチを想い出す。いつも焼き芋をおすそ分け、ハチとはん分こして食べていた。もう分け与えるハチが居なくなって、そっくり丸ごと独り占めで食べられるのだが、何だか寂しい。12日にハチの忌明け法要を雲水と台所手伝いの小母さん3人とで済ませた。悲しみをいつまでも引きずっているのもいけないので、この日を期して犬小屋や手作りベット、水飲み等々、全部片付けた。この15年間僧堂に在錫し、ハチを世話してくれた連中から立派な献花が贈られてきて、お供え物も沢山頂き、これでは私が死んだときより豪華版だ。ここまで書いてきて、まだ焼き芋をお供えしてなかったことに気が付いた。去る者は日々に疎しである。   

投稿者 zuiryo : 21:38 | コメント (0)

2010年11月15日

もぐら

以前猪が庭に侵入して掘り返し、ミミズを食べに来ると言う話しをしたが、モグラも地中を掘り進み、同様にミミズを食べにやって来る。猪はまるで鍬で掘り返したように荒らし回るが、モグラの方は地下鉄のようなもので、表面には出てこないので猪よりはましである。ところが地下ばかりなら良いのだが、どういう訳か高さと幅が1尺ほどの小山を幾つも作って行く。それが庭中到るところにぽこぽこ出来るから、特に杉苔の部分は甚だ見苦しい。聞くところに依ると、風車を回して地面を震動させるとモグラが寄ってこないという話しである。早速日曜大工店に行くと、もぐら撃退風車を売っていた。細い棒の頭に木製の風車が付いていて、ガラガラと風で回ると、それなりに地面が震動する。五基ほど庭に立てたところ、効果抜群、爾来モグラの小山はなくなった。ところが喜んでいたのも束の間、ちゃちな板の風車のため、雨風にしばらく晒されていたら、忽ちぼろぼろになって、風で吹っ飛ばされた。そこで今度は、ペットボトルを利用した手製の風車を作った。当時高専出の雲水が、わざわざ図書館に通い製造方法を学び、忠実に作ったものである。ところがどういう訳か、この風車幾ら風が吹いても一向に回らない。どんなにいい加減な作りでも、風が吹けば少しは回るのが普通だと思うのだが、これは強風が吹いても回らない不思議な風車だった。思うに、彼は絶対回らない風車を精巧に作ったわけで、物理的には素晴らしい作品だと思うが、モグラ撃退という目的には全く用を為さない。すぐに片付けて捨ててしまいたいところだが、ペンキまで塗った立派な風車だったから、彼の労を讃えてずっとそのままにして置いた。何年かしてこの雲水が自坊に帰山したのを機に片づけた。爾来何もせずにそのままにして置いたのだが、近頃また小山がぽこぽこ出来はじめた。今度は余り工作が得意でない雲水に作らせたら、きっとぐるぐる回る高性能の風車が出来るに違いないと思っている。

投稿者 zuiryo : 11:01 | コメント (0)

2010年11月07日

朋遠方より来たる

今日は恒例の光陽会坐禅、わざわざ東京より2人の友人が参加するため泊まりがけでやって来た。終わってからご感想はとお尋ねしたら、大変満足されたようで、主催者としては嬉しい限りであった。うちの坐禅会は3代前の老師から続いているもので、既に60年以上にもなる老舗である。一般的には本堂の畳の上での坐禅になるのだが、専用の禅堂を持っており、坐って頂く方々には大変好評である。坐禅は3尺四角のスペースがあれば何処でも坐れるわけだが、矢張り禅堂で坐る雰囲気は代えがたいものがあり、一般の方々にもそれが解るようだ。ところで友人は私のブログのフアンでもあり、ハチが死んでしょんぼりしている私を励ましに来てくれたということでもある。持つべきものは友で、墓前のお供えに、「やまさのちくわ」を持ってきてくれた。これはハチの大好物で、元気な頃は近所のハチ大フアンの方が、いつも待ってましたとばかりにちくわをご馳走してくれた。ハチもその家の前に行くと、出てくるまでじっと動かなくなった。「ハチ!黙っていたんでは来たことが解らないから、ワン!と吠えな。」と言ってやるのだが、ただ黙っていつまでも待ち続けた。小さい頃から犬なのに吠えないで、お喋りをする。ええっ!犬がお喋り?と人は言うが、長年つき合っていると結構ハチの話が分かってくる。12日がハチの忌明けで、雲水とハチのフアンとで、ささやかな法要を勤めて、気持ちに区切りを付けたいと思っている。友人の坐禅会参加から話が横にそれてしまったが、好天にも恵まれ、また来ますからと言って、喜んで帰っていった。

投稿者 zuiryo : 20:06 | コメント (0)

2010年11月06日

スランプ

ハチを亡くしてからどうも精神的に落ち込んでいるのか、何を見ても寂しい感じで、ブログを書く気にもなれない。先日も上がり框の脇をひょいっと見たら、カマキリの生き倒れが1匹、まだ少年のような幼さで、なんでこんな若さで死ななければならなかったのかと思ったら、思わず胸が詰まった。茶室を参禅室に使っているのだが、すぐ近くにつくばいがあって、少しづつ水を流しておくと、入れ替わり立ち替わり小鳥がやってきて、気持ちよさそうに水浴びをしてゆく。チュンチュン囀りながら、その声まで嬉しそうに聞こえる。雲水の参禅を聞きながら、合間に水の流れる音と小鳥たちの囀りを静かに聞いていると、不思議に心いやされる。今年は暑さがいつまでも続いたので、紅葉は遅れるかもしれない。うちの庭は大抵11月20日付近が見ごろで、贅沢に一人愛でている。紅葉の見事さも年によっていろいろで、絶品というのはなかなかないものだ。ドウダンの深紅とモミジの紅葉が微妙にずれるといまいち。この2種類がどんぴしゃり一致すると、端から端まで庭じゅう真っ赤っ!一人で眺めるのは勿体ないな〜といつも思う。ところで私は趣味で水彩画を描くのだが、景色の中でも紅葉が一番難しい。眺めている分には好いが、いざこれを絵にしようとすると全くお手上げである。プロでも難しいと言うから、ごもっともな話。以前先生と一緒に紅葉まっ盛りの公園に出掛け描いたことがあるが、労多くして功少なしであった。小寒い日で子供用毛布を腰に巻きつけて、外見はホームレスのような格好で奮闘したが、出来はがっくりだった。そういえば近頃は写生に出掛けることもめっきり減ってしまった。また腰巻巻いてどこかへ出かけてみるか。昨夜神奈川の姉から、「あんた、近頃ブログ全然ね、体でも悪くしたんじゃないかと思って。」と電話してきた。「ハチを亡くしてから気力が湧かなくなったんだ。」と言った。このスランプから脱出はまだ時間がかかりそうだ。

投稿者 zuiryo : 14:31 | コメント (0)