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2015年02月25日

芸術的汚れ

画家のKさんは近年日展の出品作は汚れた壁シリーズである。勿論入選はされるのだが、その上の特選がなかなか思う通りにならず苦しんでおられる。だから旅行に誘うのも汚そうな所へは大抵参加される。前回ブータン旅行もそうだったし、今回インドもお誘いすると即座に参加を決められた。そういう事情を知っていると、旅行中はKさんとの話題は一個所お詣りが済むと「どうでした?いい壁ありました?」となる。ただ汚れていれば良いというわけではなく、画家の目で見た、芸術的に美しい汚れでなければならない。インドといえば至るところ、壁に牛糞を煎餅状にして貼り付けて乾燥させるのが目につくのだが、これなんぞは余り興味を引かないらしい。汚ければ良いと言うわけではないからだ。私はこの牛糞がまるで菊の花のように貼り付けてあるのが美しいと思う。ところで以前、インド旅行をしたとき、田舎の子供が集まってこの牛糞で焚き火をして暖を取っていたのであたらして貰ったことがある。驚いたのは実に良い香りがするのだ。見た目と実際はずいぶん違うものである。今回も至るところで藁を刻む工場があった。これは全て牛糞製造に使われるものだそうで、インドでは今でもこの牛糞、重要な燃料になっているのである。

投稿者 zuiryo : 10:59 | コメント (0)

2015年02月24日

ろうそく温泉

ろうそく温泉とは変な名前だと思うかも知れないが、本名は「湯之島ラジウム鉱泉保養所」。岐阜県の最北部、中津川市にある。市と言っても、中央道のインターから細い山道を進むこと30分、猪や猿が出てきそうな山奥にある。だんだん道が狭くなるので、対向車が来たらどうしようと心配になるほど。鬱蒼とした山の中に忽然と現れた。私がどうしてこのような辺鄙な温泉を知ったかというと、知人で前立腺癌に成った方が居て、手術は成功して一応安堵したのだが、再発の心配もあり、そんな時この温泉療法を知り、度々通われているのだそうだ。そもそもこの温泉は大正3年に発見され、昭和20年から一般に向け開業された日本屈指のラジウム泉なのである。入浴法も決まっていて、最初に主催者の方から細かい説明があった。風呂は二つ並んであり、まず2番の浴槽に5分、次ぎに1番の浴槽に5分入る。後は約1時間休憩して再び同様に入り終わる。これだけなのだが気持ちいいと言ったらないのだ。止めどもなく汗が身体から噴き出る。庭には大きな池があって鯉が悠々と泳ぎ、谷川のせせらぎが聞こえてくる。ウイークデーと言うこともあって数人老人が居ただけで、休憩所も静まりかえっていた。座布団が沢山置いてあったので、それで庭に向かって坐禅を1時間組んだ。これで料金千円ちょっと、安いのなんのって。岐阜から車で1時間40分かかるので、その点が少し問題だが、これからも暇を見てちょくちょく行きたいと思っている。

投稿者 zuiryo : 20:17 | コメント (0)

2015年02月18日

物乞い

インドの仏蹟地ではどこでも入り口辺は言うに及ばず相当遠くから猛烈な物乞いの集団に取り囲まれてしまう。小さな子供から大人まで、中には身体に障害を抱えた人まで手を差し伸べてしきりに物乞いをする。わずかなお金だから片っ端から差し上げても良いな〜と思うが、その数たるやものすごいから無理。ガイドさんも止めときなさいと言うので、横目でちらっと見ながら無視する。40年前第一回目の巡拝の時はこんなもんじゃ無かった。今の十倍くらいは居たような気がする。そういう間をぬうようにして絢爛豪華な仏跡をお詣りすると、何か心に引っかかるものがある。お詣りも済んで再び外に出るとまた猛烈な物乞いに囲まれる。日本寺をお詣りさせていただき、係の和尚さんから話を聞くと、無料で医療施設を開き、また乳幼児施設も無料で開設していると聞き、救われた思いに成った。極貧の多くの人たちが居るインドで、地道なこういう活動こそ最も尊ばれなければならないと痛感した。

投稿者 zuiryo : 09:54 | コメント (0)

2015年02月17日

不覚

今回のインド旅行は後半二日間連続約9時間バス乗りっぱなで移動、道路は一応舗装されているのだが、メンテナンスゼロ、ガタガタ、バスもスプリングが堅くて衝撃がもろに伝わるという感じ。さらにもうもうたる埃、暑さ、これでヘトヘトになった。釈迦誕生の地ルンビニーから空路カトマンズに飛んだ。ここでは世界遺産の緻密な木彫建築の数々に圧倒された。最後の夜は現地の踊りを見ながら度数の高い焼酎をがぶがぶやった。これが効いたのか、帰路飛行機が飛び立って間もなく、急にむかむか吐き気を催し、頭がぼ〜として、死ぬ間際のような気分になった。こりゃ〜まずい!スチュワーデスのたまり場までふらふら歩いて行き、そこで気を失ってぶっ倒れた。しばらくすると耳元でスチュワーデスが大声で叫んでいる声が聞こえた。そして私の頬をピチャピチャ叩いている。イテッテッテッ。それでよみがえり、ふらふらしながら座席に戻った。一緒に行った中で特別な療法を心得ている者がいて、それが横の席に来て、ずっと治療をしてくれた。胸のむかむかも収まり、それからこんこんと約7時間寝っぱなし。起きたときにはスッキリ爽やかな気分になっていた。何事も羽目を外すと碌なことにならないと言う見本のようなもの。

投稿者 zuiryo : 20:51 | コメント (0)

2015年02月16日

暁天坐禅

インド旅行第二話。3日目は午前5時半起床。ブッタガヤ大搭裏側のお釈迦様が悟りを開いた菩提樹の側で暁天坐禅を組んだ。日本から警策・鐘・坼等必要なもの一切持参した。お尻に宿の大きな枕、下にバスタオルを敷いた。下は大理石を磨いた真っ平らなところなのでなかなか良い調子で座れた。途中100人くらいのタイのお坊さんが後ろで厳かな読経を始めた。これが実に良い感じのバックグラウンドミュージックとなり、さらに良い坐禅が出来た。私が警策を持って回ると皆次々に背中を打って欲しいと合掌をした。心に染み入るようなひとときが過ぎ、無事坐禅を終わり宿に戻った。部屋に入ると同室の兄がやけに恭しく石に敷いたバスタオルを捧げ持ち、丁寧にビニールに包んでいる。「折角のバスタオルが汚れてしまったね〜」と言うと、「いや、この土のついているのが宝物だ!」と言う。どういうわけ?と問うと、「この土はお釈迦様が悟りを開いたところの土だから、落とさないように大切に持ち帰り、自分が死んだとき、胸の上に載せて貰うのだ」。兄は毎朝日課としてまず神棚にお詣りをし、次ぎに仏壇に般若心経を上げ、それから写経をするのだそうだ。このような日々の積み重ねのなかから、こういう思いも自然に湧いてきたのだろう。「えらい!」。

投稿者 zuiryo : 19:07 | コメント (0)

2015年02月15日

口笛

6日から8日間印度仏蹟巡拝旅行に出掛けた。参加者は瑞龍寺・天衣寺の会下や私の僧堂時代の友人達14名である。中で一人私の実兄が参加した。相部屋で8日間一緒に過ごしたのだが、考えてみると小さかった頃同じ勉強部屋で寝食を共にして以来60年ぶりくらいである。私は18歳で家を出てから、同じ屋根の下で過ごすと言うこともなかったので、私にとっては本当に嬉しい日々であった。兄弟水入らず、一辺に数十年の時を超えて、いろいろな話をすることが出来た。兄は小さい頃から几帳面な人で、部屋に入りトランクを開けると、縦横キッチリ、一分の隙間なく、実に整然と詰め込まれている。一方私のトランクは、バラバラでしっちゃかめっちゃか、何がどこに入っているのかさえ解らない。引っかき回すからさらに大混乱となり、見るも無惨なことになる。「ひどいね〜!」と言うから、「な〜に、いざ出発となればちゃっちゃっと整頓できるんだ!」。よく見ると兄は暇さえあれば一日中整頓している。「苦にならない?」と言うと「ぜ〜んぜん!」。脇で良くやるよな〜と思いながら見ていると、整頓中は必ず口笛を吹きながらやっている。その瞬間、数十年の歳月が一度に吹き飛んだ。そうだ小さい頃も兄は整頓するときはいつも口笛を吹きながらやっていた!無性に懐かしく、胸の詰まる思いになった。

投稿者 zuiryo : 14:01 | コメント (0)

2015年02月05日

天気予報大はずれ

近年気象衛星ひまわりの精度は益々増して、天気予報が大きくはずれることは殆どなくなった。相当な確率で当たる。ところで、今日は午前中雪が10センチ積もるという予報だった。何とかんかん照りの良い天気。布団干しにはもってこいになったので、早速並べて干した。良い方にはずれたので文句を言うつもりはないが、この大はずれぶり、今夜のお天気情報の時ちょっと説明を聞きたいくらいだ。何事も間違いはつきものだから、まっ、こんなこともあるわいな!だが、昨日日用品雑貨の大型店では、雪かき用のシャベルが大売れだったそうだ。何処かで貢献してるのかも知れない。

投稿者 zuiryo : 13:51 | コメント (0)

2015年02月04日

サル学

およそ人間というものに興味のある人は誰でもサル学に興味を持つ。人間はどこから来たのか?人がサルから進化したのはどういうことなのか、いつどのようにしてサルからヒトになったのか、ヒトになったサルとヒトになれなかったサルとの間にはいかなる違いがあるのか。この問いはサルに学ぶしかない。サル性を知らなければヒトの真の人間性も解らない。以前山際教授のゴリラから学ぶで随分解ったが、今度はサルについていろいろ学んでみたいと思っている。つまりサル学とは人間学でもあるからだ。禅は人間の本来の姿を見つめていくものだが、きっと何処かで接点があるのではないかと思っている。

投稿者 zuiryo : 13:09 | コメント (0)

2015年02月03日

ライバル出現

聞くところによれば最近ノラクロにノラチャのライバルが登場したようだ。ノラクロも日々親しみを増し、段ボールの小屋にも入るようになり日向ぼっこをして、すっからお寺の猫のようになっては来たが、まだ依然として50センチの壁が残っている。そこへ最近茶色の子猫がちょこちょこ顔を出すようになった。ヒトを全然恐れず、雲水が抱き上げて、たかいたかい〜!などと言って持ち上げてやると、喜んでいるという。こっちの方が可愛いな〜!と評判。クロ!お前頑張らないとノラチャに席を奪われるぞ!と言ってやったが、イマイチ解ってない。最近は人相?も良くなり、すぐ側でころんとひっくり返って手足を伸ばしたり、三分の二くらいはお寺の猫になったみたいだが、最後の関所が越えられないという感じである。生まれながらのノラの悲しい性(さが)である。

投稿者 zuiryo : 15:56 | コメント (0)