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2014年07月09日

汝は汝が食するところのものなり

英語に、You are what you eat.と言う表現がある。この言葉のかたわらに、豚の絵が描かれた板絵が土産物屋に並んでいる。これは実に含蓄の深い言葉で、人間のあらゆる側面で、これと同じ事が言える。人間の肉体は結局、その人が過去に食べたもので構成されているように、人間の知性は、その人の脳が過去に食べた知的食物によって構成されているのであり、人間の感性は、その人のハートが過去に食べた感性の食物によって構成されているのである。つまり全てのひとの現在は、結局その人の過去の経験の集大成としてある。その人が読んだり見たり聞いたりして、考え感じた全てのことが、その人の本質的な現存在を構成する。日常性に支配されパターン化された行動の繰り返しからは、新しいものは何も生まれてこない。旅は日常性からの脱却そのものだから、その人の個性と知情意のシステムに刻印を刻んでいく。旅はその人を変えていく。その人を作り直していく。以上は立花隆氏の文章からの引用である。

投稿者 zuiryo : 2014年07月09日 21:01

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