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2013年01月05日

達磨の絵

私は近年少し達磨の絵を描くようになった。へたっぴーで恥ずかしい代物だが、図々しくも他人様に貰っていただいている。初めは見本とにらめっこで描いているうちにだんだん慣れてきて、今ではフリーハンドでじゃんじゃん描けるようになった。そんなおり、檀家で法事を頼まれて出かけた。此処のご主人とは一緒に絵の稽古をしたこともあり大変親しくさせて頂いているので、遠慮なく何でもものが言える間柄である。お茶をいただき床の間の掛け軸を拝見し、脇床に大変旨く描けている達磨の色紙が飾ってあった。うむ~!これは良く描けている。どなたが描いたものかと印を見ると瑞龍・保南とある。へ~!広い世の中には俺と同じ名前の絵描きが居るんだわ、としばし眺めてからご主人にこれはどなたのですか?とお尋ねすると、「老師さまのですがね~」、と言われ愕然とした。自分で自分のを褒めるのは見苦しい話だが、正直旨く描けているし、今の自分ではこうは描けないと感じた。そこで解ったのは、これは初期の作品で、へたっぴーだから一生懸命描いていた。ところがその後何枚も描くようになって、慣れるに従ってぞんざいに成ったのだ。その色紙を貸していただき、もう一度これを見本に達磨を描き直そうと思った。何事も慢心ほど恐ろしいことはない。過去を振り返り今の自分と比べて、ほんとうに進歩しているのかどうかを日々三省しなければ成らないと痛感した。

投稿者 zuiryo : 2013年01月05日 20:47

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