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2009年06月05日

このところ良く雨が降る。今日も予報では曇りのはずが、結局朝からじゃじゃぶりの雨となった。居室の窓からは鬱蒼とした山の翠が雨に濡れて一層鮮やかになり、こうして眺めているだけでも気持ちが良い。1日、2日と岩手へ会下会(えかかい)があって出掛けたが、帰り東京駅でホームのベンチに腰掛け暫く電車を待っていた。目の前はコンクリートと鉄とガラスがすべて、こういう無機質なものに取り囲まれていると、気持ちまで潤いを無くしぱさついてくる。私の場合は一時、電車を待つ間だけだから、ちょっと辛抱すればいいわけだが、こういう所で一日中働いている人の心はどうなるのかと思った。雑踏の中に車を突っ込んで、罪科のない人を理由無く殺めたり、路上でいきなり人を刺したりと、人間は一体どうなってしまったのかと、思うことがある。孔子さまは、天は何も言わないが、春夏秋冬真理丸出しである。天は何一つ隠してはいないと仰った。「春は花夏ホトトギス秋は月冬雪さえて冷しかりけり」と道元禅師も歌にされている。天地自然を観れば、そこに人間の正しい生き方が、自ずから指し示されている。しかしこれもコンクリートと鉄とガラスばかりの世界で感得するのは困難だろう。矢張り自然の中でこそ解るのではないだろうか。そぼ降る雨と翠の山を眺めていたら、こんな事が頭を巡った。

投稿者 zuiryo : 2009年06月05日 11:09

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