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2022年09月05日

人が皆・・・

「人が皆、我れよりえらく見ゆる日は花を買い来て妻と親しむ」。多分啄木の歌だと思うが、また細かい字句は正確ではないとも思うが、まっ、大体こんな風な歌だったと記憶している。世に出て人に知られたいという思いを胸に、悶々とした胸の内を詠んだ歌である。作家なら誰でもこう言う気持ちに成るのだろう。世に知られてナンボ、と言う世界だからで、一向に芽の出ない我が身を省みて、苦しい胸の内を綴ったものだ。まっ、作家や歌人なら当然なことだが、我々の世界はそれとは大分違う。それなら何が我々の価値かと言えば、自分より勝った弟子を輩出することである。自分自身が世に知られるなんて事は全く意味のないことで、一にも二にも、親勝りの弟子を輩出することに尽きる。その為には良き縁に恵まれることである。しかしこの縁というのは、幾ら謀を巡らしても、駄目なものは駄目で、ジ~ッと待ち続けるしかない。そして縁がなければ、ただ死んで行くだけである。虚しい役目だと思うが、修行の世界はそう言うものだ。

投稿者 zuiryo : 2022年09月05日 15:52

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