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2021年03月31日

リンちゃん

以前一匹の子猫が寺にやってきた。とても活発な子猫で、首輪をしていたので、すぐにどこかの飼い猫だということが解った。人見知りは全くせず、すぐに馴れて台所辺をはしゃぎ回っていた。警察署へ迷子の猫だと言う事を届け出て、飼い主を待った。数日後お寺から1キロほど離れた所に住むおじいさんがやって来た。再会した瞬間は、そのおじいさん涙をこぼさんばかりの喜びようであった。うちでは首に鈴をつけて歩くたびにリンリン鳴って居たので、「リンちゃん」と呼んでいたのだが、そのリンチャン、まるで喜びもせず、「何しに来たの~!」と言わんばかりの素っ気なさだった。親の心子知らず、と言う言葉があるが、まさにリンちゃんはその通りで、おじいさんに抱っこされて帰って行った。まっ、こう言う例はまれなことで、お寺にやって来る猫は大抵、野良出身で、腹を空かしてヨレヨレに成ってやって来る。餌を与えると喜んでむしゃむしゃ食べ、以後そこいら辺にある段ボール箱に入って棲みつく。一応それぞれに名前をつけて、うちの準飼いネコと成る。台所辺にこういうのが二,三匹棲みついている。都会の寒空、ほっつき歩いても餌など呉れる人はどこにも居ない。うちは野良猫の駆け込み寺なのだ。

投稿者 zuiryo : 2021年03月31日 11:04

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