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2016年11月25日

話し下手

我々の大先輩の方で、大変話が上手で、舌を巻くほど感心させられた経験がある。私のような話し下手の者には神さまの様な人だった。これは私が雲水時代の頃の話で、その後図らずも僧堂師家に成り、そう度々ではないが、人前で話をしなければならなくなった。引き受けてだんだん期日が近づき、重た~い気持ちになる不快感と言ったらない。こんな風だから、やっぱり話は下手で面白くも何ともない。本当はお断りできればこんな有りがたいことはないのだが、いろいろ立場上それも出来ず、悶々とした日々を過ごす。因果な役目を頂いたものだと思う。しかしまた別に見れば、だから一層懸命資料集めをしたり勉強できるという側面もある。人間は怠惰に流れやすいものだから、私などは特にこうでもして追い詰めないと、碌な人間にならないから、仏様の思し召しと思って日々奮闘している。

投稿者 zuiryo : 2016年11月25日 13:53

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