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2016年07月16日

平和祈願像

梅林公園の山裾に台座を入れると高さ3メートルほどの平和祈願の像が建っている。学徒動員の少女が着物の上にもんぺ、ズックを履いて、背中には防空頭巾に鉄兜、右手をかざし遙か彼方を見つめている。裏側の説明文に依れば、昭和20年8月7日午前10時半、豊川海軍工廠で勤労動員の少女達は、米軍機300余機の空襲を受け、2000余人の尊い命が奪われた。そのうち岐阜出身者は300余人、戦後有志の方々によりこの像が建立された。私が岐阜へやって来て間もなくの頃、山歩きのためにここを通ると、毎日、腰がくの字に曲がったお婆さんが銅像のまわりを掃き清め、花を建て、一心に祈っていた。きっとこの方の娘さんかご姉弟が亡くなって居られるのだと察せられた。その後しばらくここを通らなくなって久しぶりに行ってみると、周囲は鬱蒼と草で覆われ、荒れ放題になっていた。多分あのお婆さんは亡くなられ、関係者の方々も亡くなられたのだろう。そこで私がこれから毎日ここを通って山歩きをし、短いお経をあげようと思った。この方々のお陰で現在の我々があるのだから。私は昭和17年生まれで、小さいながら空襲の恐怖の一端を知っている。この時代のことを決して忘れてはいけないのだ。

投稿者 zuiryo : 2016年07月16日 07:36

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