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2015年09月05日

あの人に会いたい

NHKの朝の番組に表題のがあって、偶然徳山村の増山たづ子さんが登場した。この村は岐阜県の北西部の山奥の村で、全村が徳山ダムとなって水没した。計画から完成まで何十年もの長い歳月が経過し、ようやく運用されている。しかし年月を経るうちに社会情勢が変化し、それほど水の需要が無くなり、無用の長物と化した。同様の土木工事に長良川河口堰がある。巨大な水の需要を見込んだ名古屋市が、もう要らないと言い出したのだ。河口堰はヘドロが溜まりだし、鮎釣りで有名な川も、今では純粋な天然物は皆無となった。わざわざ稚魚を琵琶湖から大量に買って、放流して育てているという。莫大な費用を掛けた河口堰も結果無用のものになった。冒頭の徳山村の増山たづ子さんは、村がなくなるというので、記録を残すため、日々の村人の生活を何千枚と撮り続けた。その写真が今や大好評で、度々写真展が模様され、山奥のお婆さんが有名人になった。私の絵の先生も,嘗て教員になり、初めての赴任地がこの徳山村だったそうだ。当時高価だった電気炊飯器を父親が大枚はたいて贈ってくれた。行ってみると徳山村にはまだ電気が通って無かった。大自然の豊かさは今でも忘れられないと言う。放課後子供達と鮎を捕まえに川へ行き、いくらでも手づかみで捕れた。又何処の家にもお風呂が無く、校庭の隅に皆で手製の風呂を作り、子供達を入れてやったそうだ。今でも先生が個展を開催すると、当時の子供達が会いに来る。

投稿者 zuiryo : 2015年09月05日 09:17

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