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2015年05月09日

よき友は・・・

ある人のエッセーを読んでいたら、「よき友は物くるる友・・・」と吉田兼好は徒然草の中で書いていると言う一文があった。ほかに医者と知恵のある友だそうだ。何だか物をくれる人が一番などと言うと、根性が卑しいようにも思えるが、こういうのは一千年経っても同じ真理である。だからお中元やお歳暮が、何だかんだと言われながらも今日まで続いているわけである。私などもお中元やお歳暮をいろいろな方から頂き、そのお礼状に四苦八苦すると言いながら、ズバリ吉田兼好に心の底をえぐられたような気持ちにる。その他にも、面会に来られる方々は必ずと言って良いほど菓子折を下げてくる。だからこの指摘、ごもっともなのである。まっ、僧堂の場合はいろいろな会が催されたとき、また雲水の茶礼などで使わせて頂くので、事実大変重宝で、有り難い頂き物なのだが、しかしものを貰う時のこの不思議な嬉しさは、一体何なんだろうと自問する。吉田兼好の徒然草が古典として名高いのは、誰が読んでも、ああそうだと、合点がいくことが書かれておるということである。つくづく人間の本性は変わらないものだと感じる。

投稿者 zuiryo : 2015年05月09日 14:41

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