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2013年12月04日

川上哲治を送る会

先日東京ドームホテルであの有名な川上哲治を送る会へ行ってきた。嘗て僧堂在錫中、毎年12月の冬至大接心に参加されていた。私が評席をしていた頃、9連覇の真っ最中で、ジャイアンツが最高の時だった。一週間の大接心、7日目の夜10時に無事円成すると、副司寮で3人の評席と川上さんとで打ち上げの一杯をやった。勿論こっそり憚ってのことなので、ご低声に野球の話を伺った。飲むうちにだんだん話に興が乗ってくると、着物に袴姿を忘れて、バッティングを身振り手振りで始められた。その天真爛漫で少年のような姿に、随分世間で言われているのとは違うな~と思ったものである。野球馬鹿というか、本当に野球一筋に生きてこられた人だな~と感じた。望雲亭という建物が宿舎になっていたが、日中はいわゆるスコアブックの巨大なものをうずたかく積んで、一枚一枚丹念に調べ上げていた。いったい何のためなのかと尋ねたら、一年間の各選手の打席を克明に目を通して、長所短所を知るためだそうだ。監督はその場のそ場で采配を振るっていれば済むものかと思ったら、こりゃ~大変な仕事だと感じた。梶浦逸外老師も亡くなり、谷耕月老師も亡くなり、当時のことを知るものも殆ど居なくなってしまった。数年前、やはりジャイアンツで嘗て選手として活躍し、その後バッティングコーチとしても活躍された国松彰氏(彼も冬至大接心に何年間か通われた)と3人で一杯やりましょうと誘われて、一夜旧交を温めたことがある。川上さんは少し足を引きずっておられたが、正眼寺での接心の話で大いに盛り上がった。その後川上さんのご子息さんと親しくさせて頂いているのだが、此もすべて梶浦逸外老師に繋がって行く話で、人の縁の不思議さを感ずる。

投稿者 zuiryo : 2013年12月04日 21:31

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