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2013年09月13日

ブータン旅行

8月末から8日間、仲間10人とブータンへ旅行してきた。そもそもこの旅行を思い立ったのは、新聞に掲載されていた元世銀副総裁西水美恵子氏の文章を読んだからである。「・・ブータンへ旅して懐かしかったという人が多い。世界銀行の仕事で初めて訪れてから15年、細胞からにじみ出てくるようなあの懐かしさは、いまだに体に残っている。私のDNAが先祖の故郷を覚えているのだろうか・・」。これを私も是非実感してみたいと思った。国土は日本の九州とほぼ同じ大きさ、南はインド、北は中国という大国に挟まれた多民族多言語国家、国土の大半は標高千数百メートル以上の高地、川に沿ってわずかな平地があるという、誠に厳しい環境である。首都ティンプーは小さな集落と言うほどのもので、街を端から端まで歩いても2,30分もすれば行き着いてしまう。市街の道路には信号機は一つもない。狭いところにひしめきあうようにして暮らしている。観光は主にゾンという巨大な城塞兼寺院の見学とお詣りである。中でも標高3000メートルにあるタクツアン僧院への路は大変厳しく、午前9時から登り始めて戻ってきたのが午後4時であった。仲間で一番の高齢が73歳の方、若い方といっても60代半ばの老人組である。もうヘロヘロ、僧院でお経を読み三拝したら脳貧血に襲われ、一瞬よろけた。旅行中の食事はほぼ現地の人たちが食べているもので、どうも我々の口には合わない。格別素晴らしい景色があるわけでもない。それなのに不思議にこころが安らいで、ほかほかと温かくなってくるような旅だった。その根底に、ブータンの人々の篤い仏教信仰があり、日常のすべてがそこを中心におこなわれているからではないかと感じた。ブータンの人々の得も言われぬ優しさにあい、信心について改めて考えさせられた。

投稿者 zuiryo : 2013年09月13日 09:28

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