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2013年06月16日

横笛

時々裏山を歩く。今日も日中気温33度、とてもじゃないがこんな日に町中など歩けたもんじゃない。山道は鬱蒼とした木々に覆われ、下界の暑さなど嘘のよう、そよそよと涼しい風が吹き抜けて快適この上なしである。多少上り下りがあるのでそれなりにしんどいが、ちょうど良い運動になる。幾筋も山道があるが、私の歩くコースは決まっていて、権現山往復である。権現山には「時の鐘」がある。1時間ごとに午前6時から夜10時まで大鐘(お寺の鐘と同じようなもの)が自動鐘突き機で鳴る仕掛けになっている。ここはちょっと広場になっていて鐘の回りにベンチがいくつか置いてある。北側眼下には長良川、その向こうに市街が広がり、下から吹き上げる涼風が誠に心地よい。鐘の回りをぐるり一周して戻るのだが、大抵おじさんが一人ベンチに腰掛けて横笛を吹いている。察するところ定年退職後の趣味に横笛を始めた様子である。私など無視して吹き続けてくれたら良いと思うのだが、習いたてで自信が無いのかすぐに止めてしまう。残念ながらユーターンしてすぐに戻る。人間誰でも楽器を一つ演奏出来るのは人生を豊かにすると言われている。かつて鎌倉に住職していた頃、近くに住んでいた姪っ子にピアノを伝授して貰ったことがある。と言っても本格的に稽古したわけでは無く、ピアノ演奏で奏者の手がクロスするのが大変かっこ良いと感じていたので、その部分だけさわりを特訓して貰ったのだ。そもそも動機が出鱈目で不純なのだから、旨くいく訳も無くあえなく挫折した。「おじさん!指が固まってます!」。岐阜市は人口も少なく、こういう良い場所が近くに沢山有るから有り難い。しかも殆ど人が居らず、このおじさんも心置きなく稽古が出来るというわけである。

投稿者 zuiryo : 2013年06月16日 15:51

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