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2012年02月28日

私が瑞龍寺に住職して以来ずっとお世話になっていた和尚さんが余命幾ばくもないという電話があった。実は昨年6月、肺ガンに冒され余命3ヶ月と宣告されたという知らせにびっくり仰天した。日頃から元気いっぱいに活躍されていたので、この思いも掛けない話には俄に信じられなかった。30年前、この寺にやってきて以来、不慣れな私をずっと親身になってサポートして下さった。早々に伽藍の再建計画が持ち上がり、約10年間はよくぞやったと褒めてやりたいくらい奮闘した。また開山さんの五百年遠諱・開堂・尼僧堂開単等々、この和尚さんが居なかったらどれ一つも無事に成就していなかっただろうと思う。私にとっては大恩人で、神様みたいな人である。だから昨年話を聞いてからは重たい気持ちをずっと引きずっていた。奥さんからもうあまり長くはないと聞き、1週間ほど前に見舞った。ベットに腰掛けるようにしていたが、あまり話も出来ない風で、先日開かれた尼僧堂と禅学林についての会議の報告をした。開単以来丁度10年が経過し、その間苦労の連続で、和尚さんにはどれだけご心配を掛けたか知れない。本当に精魂を注いで尼僧堂のために尽力された。きっと是が一番気がかりで、心残りだろうと察せられる。それにしても何でよりによってこんな良い和尚さんが癌に罹らなければならないのだ。全く理不尽な話である。まあこんな事を言っては叱られるかも知れないが、あの野郎こそ癌にでもなって死ね!と言うのがピンシャンしている。神様はいったい何処を見ているのか!と思ってしまう。しゃきっと神眼を開いて見て欲しいものだ。以前ブログに癌の不可思議さについて書いたことがあるが、専門の研究者にもまだ殆ど解明されていないというのが実体だそうだ。ましてや我々はお手上げである。本当に悔しい!

投稿者 zuiryo : 2012年02月28日 14:56

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