« 癌とガン | メイン | 安楽庵策伝 »

2009年11月10日

病気自慢

瑞龍寺婦人会も老齢化が進んで、一人欠け二人欠けして、今では残党が2,3人僅かに残るのみとなった。中でも大変親切にして頂いたK婦人も86歳で、今日もご子息さんに会ったので様子を聞いてみると、頭はしっかりしているものの、足腰が弱って殆ど寝たきり老人になってしまったそうだ。この方はいつも病気が自慢で、「私は16の病気を抱えています」。と言うのが口癖だった。そう言う割には元気溌剌として、何が趣味と言って、食べることが何より大好き(この点は愛犬ハチとそっくり)な方だった。また大食漢で、そのお年でよくぞそんなに召しあがるとこちらが驚くほどだった。糖尿でお医者さんからは甘いものは控えるようにと再三の忠告も全く意に介さず、お饅頭をぱくぱく食べていた。従って血糖値は当然の事ながら高く、数値を聞いてびっくりという風だった。その他にも眼底出血や手足のしびれなど、体中やまいだらけであった。しかしそう言うときでも大きな病気には罹らず、、「わたしゃね~、16も病気もってるんだから・・・・」と、病気をむしろ自慢する風だった。人間内臓が丈夫な人は長生きすると言うが、この方などはその典型だった。しかしさすが86歳とも成ると、近年は段々弱ってきて、寝たきり老人の仲間入りとなったのである。今日の息子さんの話では、食が細くなったそうで、それが却って良い方に働いて、血糖値は下がり、今まで16もあった病気が次々に改善され、足腰以外はいたって健康になったとお医者さんも喜んでいたそうだ。面白いこともあるもので、寝たきり老人になったお陰で身体が健康になったというのだ。万事楽天的で、「成るようにしかならないのさ」が信条で、からっとしているところが良い。まっ、多少マイペースなところはあったが、幾つになっても童心を失わず、本当に可愛らしいおばあちゃんだった。7月お盆の棚経に行ったら、お仏壇にお詣りし一緒にお経を読み、こうして会えて嬉しいと何度も言っていた。どうか少しでも長生きして欲しいと心から願った。

投稿者 zuiryo : 2009年11月10日 15:05

コメント