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2009年10月19日

アンゴラ肌着

ぼつぼつこの季節になると、般若会の幹事から、今年のお歳暮品を適当に選んで買って下さいと言われる。何が良いかは自分で選び、それを自分で買い、11月下旬、今年最後の般若会の折り、お歳暮と言うことで、私が頂くのである。この方式だと私の一番欲しい物が頂けるわけで、なかなか良い方法である。で、今年は考えた末、寒さ対策として、アンゴラ100パーセント肌着を買ってきた。上着だけでも何と3万数千円もする。とてもじゃないが自力でこんな高価な物は買えない。本当は上下欲しいところだが、予算の都合上、上着だけになった。近頃一般では、冬になっても夏と変わらないような軽装で過ごす人が多いそうだ。その点僧堂では酷寒の季節とも成ると、十二一重になる。肌着から法衣まで数えると七,八枚の重ね着となり、もうころころ状態となる。これは早朝本堂での勤行・禅堂での坐禅を基準にして着込む故である。こういう僧堂生活をご存じない方は、どなたも厚着に驚き、少々軽蔑したような目で見る。暖房の効いたぽかぽか部屋で、過ごすのとはわけが違うのだ。尤も雲水はこういうわけにはいかない。坐禅の時警策を当てられ、余分な厚着は音で直ぐ分かってしまう。「バカ野郎!」てなぐあいで、はぎ取られることになる。私は今までに充分その経験を積み重ね、人が一生味わう分の酷寒を経験しいるから、以後の人生では、私の辞書から、「寒い!」を無くしたのである。とまあ、寒がり屋の、言い訳なのである。その上こう言うと一層負け惜しみに聞こえるか知れないが、近年寄る年並みで、ちょくちょく腰痛に悩まされ、特に腰回りは絶対に冷やしてはいけないと感じているからである。まっ、我々は平生着物を着ているから、少々厚着でも見栄えが悪いなどという気を使う必要は全くない。むしろやせっぽちの着物姿より堂々と風格が備わっているように見えるから、大いにころころになった方が良いのだ。と、くだらない話しを延々と書き、申し訳なし。これも偏に岩手の親友K師の、「穴空けないで下さいね!」故である。

投稿者 zuiryo : 2009年10月19日 11:28

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