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2009年01月20日

梅一輪

私の居室窓から数本の梅の木が見える。ついこの間までは蕾も小さく、これでは当分開花は先だな~などと思っていたら、昨日の雨で急に膨らみ、はっきり花の色まで解るほどになってきた。この寒気の真っ只中で、よくぞ頑張るものだ。梅のたくましさはつとに知られるところだが、日に日に開花に向かって驀進中の様を見るに付け一層感じ入った。ところでうちの寺の山門をくぐると正面に梅の巨木がある。この梅の木は昭和20年7月岐阜空襲で寺の伽藍と共に消失した。焦げた切り株だけが無惨に残り、周囲からは殆ど忘れられたのだが、20数年後、その梅の株から1本の芽が出た。やがて幹が出来枝が張り、ついには戦前の巨木に蘇った。毎年3月中旬頃紅梅が一斉に咲きそろう。10数年前伽藍再建の折り、一番目立つ位置に移植したのである。参道正面からも見えるため、多くの見学者が眺めてゆく。近くには梅林公園もあるので季節にはいつも早朝花見に行く。数百本の梅の香りが辺り一面に広がる梅林に一人佇むと、実に幸せな気分になる。特に開く寸前の白梅の蕾が最も美しい。ぴ~と張りつめた冷気が一層梅にふさわしく、桜の花見より私は好きだ。

投稿者 zuiryo : 2009年01月20日 20:13

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