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2008年11月29日

神道(しんとう)

最近、神道の本を読んだ。神さんのことは日常生活に密着していることだから、改めて調べる必要もないと思いがちだが、どっこいそうでもない。だいたい神とは何か?すら解っていない。江戸時代の本居宣長は「神とは何ににまれ世の尋常(つね)ならずすぐれたる特(こと)のありてかしこきもの」と言っている。要するに、普通では見られない極めて勝れた特質を持ったもの、つまり他に抜きんでたものということである。これは人間ばかりではなく自然物でも同様である。神道で最も特徴的なのは穢れを嫌うことである。だから神社へ行ってお参りをするときにはまず最初にお祓いをする。語弊を頭の上でガサガサッとやって貰うあれである。これによって禊ぎをする。もう一つ重要な考え方は、和を以て尊しとなすである。物事は競争すると必ず敗者ができる。敗者からは怨念が生まれる。日本は中国から律令制度など行政システムを取り入れたが、科挙は輸入しなかった。これもそういう理由によるといわれている。日本のプロ野球に引き分けがあるのも、同じ理由なのかも知れない。日本人はあなたの宗教はと問われると、無宗教ですと答える人が多い。そういう人でも、実は神道という日本独自の信仰を持っているのである。・・・というわけで今日は少々お堅い話で終わり。

投稿者 zuiryo : 2008年11月29日 09:52

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