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2008年10月17日

苦労は買ってでも・・・

若いうちの苦労は買ってでもせよ、と言われる。師匠は何時も、「我に八難九厄を与え給え」の心意気でやれと、叱咤激励されていた。確かに若さ溢れる時期はこれくらいの勢いがなければ修行を続けることは出来ない。昨日、20数年前私の所で修行し、その後紆余曲折を経て、無事晋山式を円成した者が居る。性格も良く頭もいい男で、このまま修行を続けて行けば、然るべき立派な和尚になると大いに期待した。椎間板ヘルニアという難病を抱え、坐禅も思うに任せぬ状態故、修行を何時までも続けてゆくことに自信を無くしたのか、数年で止めてしまった。惜しい人材であった。誰にでも困難はつきもので、そこを何とか乗り越えてこそなのだが、結局別の道を辿ることになってしまった。その後、道場での修行の代わりに厳しい人生修行を味わうことになって、それはそれで決して無駄なことではないが、どうせ苦労するなら本来の修行の道で苦労して欲しかった。まっ、今更蒸し返しても詮のないことで、無事目出度く晋山が叶えられたのだから、心から祝おうと思った。

投稿者 zuiryo : 2008年10月17日 21:19

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