2025年06月06日
ふっと父のことを想い出す
今日は何だか知らないが、フッと父のこと想い出した。戦後間のない頃で、万事物不足、特に甘い物が殆どなく、子供にとってこんな辛いことはなかった。そんなとき、農家から借りた畑でサトウキビを植えて、待ちに待った収穫、茎だけにした棒のような物を、上下鉄の丸い間に突っ込み、取っ手を回すと、シタシタと甘い汁が出てくる。これをクツクツ煮出すと、砂糖のような物になる。漸く出来上がった砂糖状の物を指に絡ませて口に入れるとめくめくような甘さ、この世でこんなうまい物があるのか!と思った。子供4人を、傍らで父が嬉しそうに見ていた。フッと遙か昔のことが甦ってきた。段々胸が詰まってきて、涙がこぼれてきた。「とうちゃ~ん!」心の内で叫んだ。
投稿者 zuiryo : 2025年06月06日 10:33