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2019年09月02日

小祥忌(しょうしょうき)

小祥忌とは一周忌のことで、亡くなって一年経つ頃、同じ季節が巡ってくるため、喪失感が一層強くなる、そんな時に法要をすることで、区切りを付け、今後は目出度い方向に歩み出そうと誓うのが、小祥忌である。祥というのは元々災いを意味した。だから羊という生け贄を祭壇に供え、祈るのである。「羊」は、現代風に言えば、故人に捧げられる遺族それぞれの奮闘努力のことで、我が身を羊として捧げるべく奮闘し、それによってわざわいをさいわいに転じたため、後に「祥」と言う文字そのものの意味が、「さいわい」に転じたのである。大切な人を亡くして一年経った今、少なくとも「さいわい」や「めでたさ」の萌芽だけは見いだしたいと願っている。「祥」という文字に起こった劇的転換が、自分達の中にも起こると思いたいのである。「わざわい」から踏み出す一歩なのである。

投稿者 zuiryo : 2019年09月02日 10:25

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