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2017年10月14日

蛇足

蛇を描く競争で早く描き上げた者が足まで書き添えて負けになったという故事、あっても益のない余計な物事。今回岡倉天心美術館開館20周年特別展、龍を描く展が催されることになり、うちの本堂上間、土屋禮一先生の龍の絵が出品されることになった。運搬業者が大型トラックでやって来た。襖8面、正面床の間3面、梱包作業にかかった。正面は3つに紙が分割され繋ぎ合わされている。壁からはがすと、最後に貸し出したどこかの美術館が、勝手に裏側を表具して一体にしてしまった。正面から見れば3枚の紙が繋ぎ合わされているわけなので、はがせば3つに梱包できるという計画で作業を始めてみると、この状態。となると乗せるトラックから大きさが全然違うので、もう一度出直してくることになった。運搬先は茨木県の美術館である。全く迷惑千万な、余計なことをするな!と言いたい。こういう美術品は借りた時のままに返却するのが当たり前で、良かれと思ってやったのか知れないが、まさに蛇足である。

投稿者 zuiryo : 2017年10月14日 20:48

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