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2017年01月02日

占い師

面白い事に私が遭遇した本物の占い師は全く別の分野にいた。ひところ酷い肩こりに苦しんだ私は腕の良い指圧師の評判を聞きつけ扉を叩いた。A先生は想像を絶する巧さで、指先は次々寸分の狂いもなくツボを探り当てていく。飛び上がるような激痛が走るが次の瞬間ウソのように頑固なコリがほぐれていく。神さまではないか、最初お会いしたときは単なる普通のオジサンにしか見えなかったが、突如まぶしく映り、思わずエリをただしながら教えを乞うてしまった。「先生、私は何でこんなに肩が凝るのでしょうか」神さまはニコリともせず吐き捨てた。」「性格が悪い!」思わず納得させられるほどの潔さである。そこまで言って下さるのなら、こちらも食い下がる。「そ、そ、その性格のどの辺が悪いのでしょうか」「まずあなたの部屋だが・・・全然掃除してないだろう。床も散らかり放題、机の上も埃が層をなしているのが目に浮かぶようだよ」ドキッ。「な、な、何で解るんですか」「そういう基本的なズボラでガサツな性格にもかかわらず、変なところでいやに神経質で細かいところがある」ドキッ。「筋肉の細かい繊維に添って、こう言う凝り方をするヤツは、そう言う神経の使い方をする傾向がある」。占い、つまりわずかな兆候から、肝要な事態を読み取る術とは、多数の事例に共通する因果関係を導き出す能力のようだ。統計と観察力の賜と言える。

投稿者 zuiryo : 2017年01月02日 07:29

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