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2016年08月17日

高野槙

もう十数年前、四国八十八番札所巡りを歩いてやったことがある。一辺には無理なので、数年かけ小分けし、大体一年に三回、4泊5日を繰り返し、凡そ七年で全て歩き通した。八十八番札所を終え、一番札所に戻ってお礼参り、高松港からフェリーで和歌山へ、高野山の一乗院へ泊まった。翌朝高野山奥の院へ詣り、これで全て完了した。脇の小屋掛けの売店でお婆さんが高野槙の苗木を売っていたので一本買った。寺に戻り自室の前の庭の片隅に植え、朝晩水遣りを続けた。わずか三十センチほどの苗がすくすく伸びて一メートルを超えた。植木屋さんが言うにはこの木はドンドン大きくなりますから今のうちに広い場所に移植した方が良い。そこで将来大木に成ることを想定して、鐘楼脇に植え、数年経って三メートルほどになった。これですっかり根付いたので、脇に記念の石碑を建てた。平成五年六月に植えたのだから、十三年経ったのである。裏側に私と同行の二人の名前を彫って記念とした。それを写真に撮って、こんな具合ですよと知らせると、予想外に喜んでくれた。二人とも私よりずっと年上だから、当時を振り返って感慨一入という所なのだろうと察した。偶然思い立ってしたことなのだが、こんなに喜んで貰えて、こちらまで嬉しくなった。

投稿者 zuiryo : 2016年08月17日 04:39

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