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2012年02月02日

積雪10センチ

去年の年末頃から雪はちらちら舞っていたが積もるほどでもなく、この調子で行って欲しいと思っていたら昨夜来の本格的雪であっという間に10センチ積もった。今回はこの程度で済みそうなので有り難い。全く降らない年の方が多いのだが、降り出すとあっという間に40センチいうのは珍しくないこの地方だから、今回はやれやれである。境内が広いので大雪に見舞われると、植え込みの細い枝は沢山折れてしまい、後片付けが大変なのである。一転して今日はからっと晴れ上がり、気温はプラス1度と低いが、日がさして気持ちが良い。以前ノラクロの話をしたが、午前中通りがかると、台所の戸の外でうずくまっていた。私を見るとにゃ~ごと鳴いて餌を欲しがった。この寒さで空きっ腹ではいかにも可哀想だ。戸を開けてノラクロ用の餌を少し手のひらにのせてやると、喜んで食べた。典座さんに聞いたら実はさっきも上げたというのである。どうも空きっ腹ではなく寒いから部屋の中へ入れてくれ!と言うことらしい。それは駄目だ!こっちの同情心につけ込みゃ~がって!お前は野良道を歩んでいるのだから、それで貫き通せ。午後1時半から定例の「ともしび会」が開かれた。毎月いろいろな講師にお越し頂き貴重なお話を拝聴する会だが、年初第1回(1月はお休み)は私の当番になっている。雪がまだ完全に溶けていない足下の悪いところをお出で頂き恐縮である。「あたりまえの奇跡」という演題でお話しさせて貰った。当たり前の日々ほど貴重で有り難いことはない。しかしその奇跡的有り難さに気づく者は居ない。失ってから始めて、嗚呼、あの時は幸せだったんだと分かるのである。では失う前にそれに気づく良い方法はないのだろうか。ある。それは信心を持つことで、毎日仏壇に手を合わせることである。佛さんや先祖に向き合うと、自然にそれが分かる。我々は日常目に見える世界にばかり心を奪われ、損したの得したのと我利我利亡者になっている。そう言うとき、佛さんや先祖に手を合わせれば、すっと目に見えない世界に入ることが出来て、何事もなき幸せを感ずることが出来るのである。今日はやたら抹香くさい話になってしまったが、人間に元来備わっている自然治癒力と同じように、心の世界にもよこしまな心をやっつけてくれる免疫細胞があるのだと思う。無に向き合えば心の自然治癒力が活性化され、まともな人間になれるのである。

投稿者 zuiryo : 2012年02月02日 15:28

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