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2011年12月22日

無事円成

15日から始まった恒例の臘八大接心もお陰様で今朝午前4時無事円成した。空はどんより今にも雪が降ってきそうな気配だが、心は晴天。2時間ほど朝寝をして疲れも取れた。先日もある方からあなたにとって幸福感とは何ですかと問われたが、まさにこれです。「あたりまえの奇跡」と、どなたかが言っていた。百丈禅師も「如何なるか奇特の事?」と問われ、「ここにどん坐ってることだ!」と言った。ごく当たり前の日常こそ素晴らしいのだと言うことである。しかしこれに気づくためには「苦痛」を尊ばなければならない。苦しいことから逃げ回ることしか考えないような者にはとうてい味わえない。まっ、そんなこ難しいことは脇に置いて、今夜は一年一度の無礼講、「冬至灯夜」である。臘八円成と一陽来復を祝って飲めや歌えの大騒ぎをやる。この夜ばかりは上下の隔てを取っ払って、和気藹々楽しい夜なのである。この差の激しいことと言ったらない。今朝までは禅堂でめった打ちにあっていたのに、夜は皆で肩組んで高吟放歌である。この切り替えがすらすら出来ないようなやつは修行者ではない。私も長らく僧堂で厄介になったから、灯夜の想い出は数々ある。月日が経って当時の連中は古希を過ぎ、頭ももうろくして、身体はあっちが痛いこっちが悪いと言うようになってしまった。普通なら孫でも抱っこして好々爺と言うところなのだろうが、こっちはそれどころじゃない。血の気の多い雲水相手に馬鹿だちょんだと小言幸兵衛の日々である。因果な稼業だなあと思う。唯一良いところと言えば、自分にぶら下がっている者が何もないというこの身軽さである。このすっきり感は何にも代え難い。

投稿者 zuiryo : 2011年12月22日 11:17

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