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2011年03月28日

ボケの蕾

居室の庭の隅にボケの木がある。2月頃、庭はモミジもドウダンも枯れ枝のようになって寒そうに木枯らしに震えていた。そんな中、無味乾燥な庭の片隅でボケの枝先にちょんと赤い小さな蕾が付いた。よく見ないと目にもとまらないような小粒だが、他に何もない庭だから、その小さな赤い色が春の先駆けのようで、ほっと和んだ。毎朝、坐禅と参禅が終わると、全員で手分けして板の間廊下の雑巾掛けをする。私にも少し担当範囲があって、尻絡げをしてハアハア息を弾ませ拭く。終わると雑巾バケツの水をそのボケの木と杉苔にかける。今年はもう彼岸も過ぎたというのに今朝も零度だった。こんな寒さがずっと続いているにも拘わらず、ボケの蕾は日に日に膨らんできた。点のようだったのが段々大きくなって、ついに今日1,2輪綻び、真っ赤な花を咲かせた。人間は何時までも冬のようだなどと言っているが、自然はちゃんと春を大地から感じて、季節通り花を咲かせた。色彩の何もない冬の庭だから、真っ赤なぼけの花の色が一層目に染みて、目前の春を感じた。連日ニュースは震災被害の状況や、特にお先真っ暗な原発の様子などで気が滅入る。被災された多くの方々のご苦労を思うと胸が痛む。先日も知人がヨーロッパに出掛け、帰路ドイツのルフトハンザ航空に搭乗したそうだ。そうしたら急遽韓国の空港に着陸、どうしたのかと思ったら、そこでドイツから乗ってきたクルーは総て降りて、すべて日本人のクルーに変わったという。成田が原発地域に近いため放射能汚染を警戒してのことらしい。これには驚きましたと言っていたが、外国では日本で感じているより、重く見ているようだ。原発から2,30キロ周辺に住んで居られた方々は避難したわけだが、これから先どの位長期間に亘って避難生活をしなければならないのかと思うと、その深刻さに呆然とする。効率や経済性一辺倒の世の中の仕組みそのもののあり方が問われている気がする。

投稿者 zuiryo : 2011年03月28日 19:15

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