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2010年10月15日

畳替え

畳と何とかは新しい程良いなどと言うが、確かに畳を新調すると部屋全体がまるで新しくなったような気がしてくる。大切な人をお招きするときは、その為に畳替えをするという話しだ。私も還暦の茶事を催した折、茶室の畳替えと障子を全て貼り替えたことがある。尤もこれは私が自主的にしたわけではなく、お招きした客の中のお一人で、そう言うことには大変やかましい方が、全て費用を出して下さった。「こうしてお招きするものです。」というわけである。有り難くご厚意を受け、亭主役も何とかこなし、無事円成した。それから歳月が過ぎ、10月恒例の講中斎を催した折のこと、ご夫妻で参加された方から後日、「これで是非本堂の畳替えをして下さい。」と、ご志納金を拝受した。講中斎では最初に「布薩会」(ふさつえ)と言って、何十回と仏名を唱えながら礼拝をする。この時1回1回額を畳にくっつけ、両手の平を返して拝むのだが、当時本堂が完成して既に20年ぐらい経っていたので、表面の藺草は殆ど擦り切れてぼろぼろ。そこへ額を何十回とくっつけるわけで、思わず「不潔だな~!」と思われたようだ。この調子で来年もやらされたのでは堪らんと思われたらしく、間もなく寄付金を携えてやって来られたと言う次第。お陰で今ではピッカピカ、本堂全体が新しく蘇った。工事に来た畳屋に、因みにお寺全体の畳替えをしたら如何ほどになるか尋ね概略計算して貰ったら、何百万円にも成ると聞いて肝を潰した。伽藍を維持して行くのも並大抵ではないと痛感した。さて10月の開山忌も無事円成して、ほっと一息付いた。僧堂では年間行事の中でも、この開山忌が最大の行事で、このために8月下旬頃から庭木の剪定・除草等々、連日酷暑の中、大作務が続いた。今年は特に9月が真夏並みの暑さだったから、雲水も大変だった。熱中症で亡くなった人が連日報道されたので、梅干しと水を切らさず、やかましく言って摂らせた。午後の最高気温の時は内作務にして、夕方少し日が落ちてから外作務にしたり、いろいろ工夫した。だから無事終わって、本当に良かったと思っている。いよいよ半月後は雪安居入制、本格的な冬の修行が始まる。矢張り僧堂は他事を終え、毎日黙々と坐禅修行をするのが一番だ。

投稿者 zuiryo : 2010年10月15日 21:00

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