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2010年02月02日

制間

2月1日、講了も無事済んで1ケ月半、3月14日までは制間と言って、雲水もそれぞれ暇をもらって自坊に帰り、しばし緩やかな日々を過ごす。と言っても午前3時半から始まり、午後9時解定に終わる僧堂の日常は変わらないが、気分がゆったりとする。今日、東京から知人夫婦が新年の挨拶という事でやって来た。10年以上もの長い料理修行を終えて、漸く念願かなって昨年店を持った。その折り店のロゴを墨書した事もあり、何とか繁盛して家賃も払えて自分たちの生活も成り立って欲しいと念じていた。話を聞くと、どうにかやって行ける目途も立ったようだ。やれやれ良かった!水商売と言うくらいで、浮沈が激しく、商売敵もわんさと居るわけだから、決して気は抜けないのだそうだが、自信に満ちた顔つきを見て、これならやってゆけるだろうと安堵した。これから店の手伝いを一人雇って、家内の仕事量を減らし、子供を持ちたいと、嬉しそうに言っていた。若者が自分たちの目標に向かって努力している真摯な姿は、端から眺めていても気持ちが良い。ところで、昨年夏に亡くなったOさんのお墓参りをしたいので場所を教えて欲しいという。聞けば、Oさんは生前大変彼ら夫婦を励まし、激励の手紙の遣り取りなどもあって、力を頂いたのだそうだ。仕事が忙しく店を空けられない事情もあって、ついに葬儀にも参列できなかったので、今日お詣りをするのだという。こういう律儀さが何とも嬉しい。そんな事を言ったら私など今までにどれ程沢山の人達に支えられ、助けられてきたか知れない。では、どれだけ感謝の気持ちを以て日々生活しているだろうかと、ふと思った。この若夫婦を見ながら、改めて恥じ入り、大いに反省した。

投稿者 zuiryo : 2010年02月02日 20:11

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