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2009年06月21日

光陽会

三代前の龍峰老師の頃から爾来60年以上続いた坐禅会が光陽会である。私も27年前住職したとき、自動的に先住さんから引き継いでこの会を続けている。住職当初は伽藍の建築中だったり、様々な事情で毎回数人というのが普通だった。まっ、これはこれで小人数の良さもあったが、掛かる手間は人数の多寡に拘わらず同じなので、もう少し集まればいいな~と思っていた。ようやく伽藍も整い、坐禅会専用の禅堂も出来て、俄然人数が増えてきた。以後、平均20人は集まるようになり、こちらも張り合いが出て来た。中でも、N氏は光陽会創設時からの会員で、爾来ずっと通い続けた。月2回の日曜日開催とはいえ、せっかくの休日、早朝から出掛けてくるのは大抵ではない。それを60年以上も欠かさずひたすら続けられたのには本当に頭が下がる。ある時このN氏に、「よくも延々と続けてこられましたね~。」と申し上げたら、「もう習慣になっていますので、日曜日に瑞龍寺さんに来ないと、何か変なんですよ。」と言っていた。「それで何か解りましたか?」とさらに尋ねると、「何も解りません。」と言った。あっはっはっは!で終わった。そのN氏が昨秋80余歳で亡くなられた。死の直前まで坐禅会に来られ、閑かに息を引き取った。氏の遺言によってお位牌をお祀りし、皆でお経を上げた。現在その遺志を継いで娘さんが毎回参加されている。命の絆とはこういう事だと、改めて思うのである。

投稿者 zuiryo : 2009年06月21日 10:26

コメント

清田老師、ご無沙汰しております。東京の石田でございます。時々、たのしく拝見させていただいております。私も昨年母を送りましてから、生前母が続けていたことを色々と継承しております。不思議なもので、「お母様はこんなこともされていましたよ!」と知人の方から言われると次の日から同じことをやっているといった次第です。今月は母の新盆供養です。母亡き後何かと忙しい毎日が続きましたが、これで少し落ち着いた日々が過ごせそうな今日この頃です。

投稿者 石田 昭義 : 2009年07月02日 20:16