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2017年01月10日

絶食の勧め

外国へ行って、空港や駅の待合室等々で、新聞、雑誌、書物を手にする人の少なさにオヤッと思うことがある。逆に日本の公共交通機関を始めて利用した外国人が驚くことの一つに活字を貪る人の割合の高さがある。さすが江戸時代に国民の識字率百%に近かった国!である。書物にこれだけ親しむ国民はさぞ知的レベルが高いことでしょうな〜!と一応褒めてくれるからこちらはお尻がむずがゆくなる。問題はどんな高級な知識であれ、のべつまくなし情報をインプットし続ける脳みそは、果たして知的であり得るのか。或るサイエンス誌にとても面白いレポートが掲載されていた。鶏の寿命は凡そ15年か20年、さる鶏卵工場の鶏たち、幼児から役に立たなくなるまでオリに入れられたまま、朝から晩まで餌をついばみ続け、平均1年半もすると老いさらばえ産卵能力を失い、処分され、絞殺されて他の家畜の餌になるかスープの素になる。あるとき、200羽の鶏が処分されるというので、1ケ月私に預けて下さい、この鶏を若返らせ、産卵能力も回復させますと言ったD博士がいた。どうするのかと見ていると、結局鶏たちはそのままその施設に留め置かれ、但し完全にD博士の管理下になった。何をしたのかというと、D博士は2週間もの長きにわたって、鶏たちへの餌の供給を完全にストップした。すると鶏たちは衰弱するどころかどんどん元気になって、ボロボロだった羽根が落葉するようにきれいさっぱり抜け落ち、代わりにツヤツヤと光沢のある美しい羽根が体を覆った。よたよたしていたのが溌剌と動き回り、絶食2週間もすると、1ヶ月ほど前に産んだ最後の卵より一回り大きな殻のしっかりした卵を産むようになった。ここから解ることは、益々情報過多になる社会、強迫観念に追いまくられるように情報を飲み続け、結局のべつ幕無し餌をついばみ続ける鶏卵工場のニワトリと同様なのではないかと思うのである。

投稿者 zuiryo : 2017年01月10日 14:48

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