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2017年01月01日

謹賀新年

年始めの第1話。伊奈波神社に参詣に出掛けた。参道は露店が軒を連ね、大賑わいである。矢張りお天気が良いからだろう。東宮司のほころぶ笑みが浮かぶ。いつも不思議に思うのは、同じ鯛焼き屋でも長蛇の列と殆ど客の居ない店があることだ。多分あんこも皮も卸しているところは同じに違いないのに。もっと不思議なのは長蛇の列が変わらない占い師の店である。それも全て女性。言っちゃ〜悪いが、あんなの全部インチキでしょ。見て貰う女性もそれは知っている。料金500円と言うのが、妙を得た設定で、あれは千円じゃ駄目、と言って300円でも駄目。ところでこんな話がある。マスコミでも評判の占い師で、引きも切らず列をなしている。1時間半も並んで、私の番になって待ち構える椅子に腰を掛けようとして目が合った次の瞬間、彼女は、「はい、今日はこれでお開き。じゃまたあした」とそそくさと商売道具を畳んで引き上げてしまった。「エッ、ウッソ-」騒ぎ出した背後の女性達に尋ねてみると、普段はあと2時間くらい営業しているという。女占い師はあの瞬間、私の目の中に、決して彼女を信用していない心を読み取ったのだろう。たしかにまるで詐欺師を見つめるような眼差しを彼女に注いでいた。自分を疑う客を占う自信はない。信頼し切っている者だけを相手にする。そう言うポリシーを打ち立て、客を嗅ぎ分ける新宿の彼女は、占い師としてはともかく、プロとしては、銀座の男より数段ましである。(つづく)

投稿者 zuiryo : 2017年01月01日 10:31

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